忙しい人のためのサムライ☆ファンタジイまとめ【1〜5話】

 忙しい人のためのサムライ☆ファンタジイまとめ1【第1話〜第5話】




【第1話】 次期毛利家当主、8歳の毛利伸は、姉の地学の資料集の星の写真に惹かれ、夜、母と姉に黙って、一人で海辺で星空を眺めていた。心配してやってきた、母、毛利貴子は、星の名前を覚え始めた伸に「北極星には役目があって、だから『北辰』という名前がついているの。その北辰の乗り物が北斗七星で、その七つ星もまた、神様だから名前がついているのよ」と伸に教える。幼い伸は、さらに、星空に憧れを抱くのだった。
【第2話】 7歳の当麻は、父の大学の講演につきあって四国に行く事になった。宿泊先の旅館の近くには、海があり、当麻は初めて「本物の海」に触れる事ができた。好奇心にまかせて、シーグラスを集める事に夢中になっていた当麻は、海の深みにはまってしまう。それを、不思議な力で助けたのは、白い袍を纏った、琥珀色の髪の同い年くらいの子供だった。当麻は、ほのかに、その子に恋情を抱くが、正体がわからないまま、別れることになる。そこで、当麻が知ったのは、海は命の源であると同時に、自らの知識や経験の及ばない「不可知の世界」である、ということだった。
【第3話】 25歳の誕生日、山口の実家の近くのホスピスに勤務する伸は、毎年恒例の「お誕生日、おめでとうございます!」コールを女子職員からうけていた。その日、家に帰ると、一通の手紙が届いていた。ナスティからの手紙だった。そこには、誕生日を祝う内容とともに、4月に5人で集まることができないか、という一文が添えられていた。さらに、追伸には、行方不明だった当麻の携帯の番号が書かれてあった。ためらいながら、伸は当麻に連絡をとった。その日、東京の夕暮れには、不吉なオーロラが観測されていた。
【第4話】 4月の第2週、5人はJR吉祥寺駅に集まる事になっていた。前日に到着していた伸とナスティは、駅の改札で、ひさびさに懐かしい顔ぶれに逢うことを楽しみにしていた。そして、秀、遼、征士、当麻と、集まって来たのだが、一同を驚かせたのは他ならない、伸だった。ナスティの見立てで「チュニック姿のお洒落な格好」をした伸を、4人は女性と間違えてしまい、当麻に至ってはナンパまでしてしまう。
【第5話】 ナスティのゲストハウスに到着した5人は、それぞれの近況を報告する。遼は、保育士、征士は女子高の臨時教員、秀は父の店の二号店の副支店長、伸はホスピスの職員、とそれぞれ報告するのだが、当麻だけが、現状報告を渋る。結局、諸事情により、当麻はフリーでプログラミングの仕事をしながら、早稲田大学文学部受験のために、予備校生をしているという事実が発覚するのだった。